新うきさと通信 

三重県の山里から

「税金を野ざらし」―放置された獣害防護柵

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           どうする松阪市ー醜い景観破壊も

 イノシシやシカなどの獣害から作物を守るための防護柵(写真上)が耕作をやめた後の田んぼや畑に放置されたまま3年余り経つが、うきさと地区の住民の一部からは「税金を野ざらしにするようなもの」と、交付した松阪市が有効な対策を講じないことに厳しい批判の声が上がっている。

 柵は数年前に自治会が個人農家の必要数をまとめ、一括して市に申請したものだが、14年間は自治会が管理することを義務付けられていた。しかし、高齢化で耕作放棄が相次ぎ、「ただの金網」に姿を変えて醜い「景観破壊」さえ起きている。

 交付の原資は税金。国ー都道府県ー市のルートで流れてくるが、地元と直に向き合うはずの市当局の腰は極めて重い。何度かの取材で現場の写真を提示、解決策を質したが、ほとんど無反応。税を預かる立場の責任感は感じられなかった。

 「管理は自治会で」との言い分があるにしても、放置している自治会に改善勧告をしたり、実情報告を求めるべきではないか、と関係筋は指摘。その上で、自治会にしても、行政が黙認しているのならと、「他因」タテに気を弛ませかねない、とも。

 議会も問題。2018年8月に地域紙で大きく報道されたにも拘わらず、一度も取り上げていない。ある議員は「むろん関心はある。いろいろ教えて」と、その場限りの逃げ口上で背を向ける。転売されて姿を消したのもあると言われているというのに―。