新うきさと通信 

三重県の山里から

  満4周年のフードバンク松阪

                  旧宅の玄関に積まれた寄贈のコメと手島さん

                              利用者60世帯超える

 まだ食べられるのに、捨てられてしまう食品を譲り受け、それを必要とする人に無償で届けているNPO法人フードバンク松阪(手島禮子代表)か゛活動を始めて12月で満4周年を迎えた。

 昨年の受け入れ件数はコメ、野菜、果物、菓子、カン・ビン詰め、インスタント・レトルト類、鯛焼きなどのほか、ヒーターやコピー機、食器、服、洗剤など、暮らしの必需品を合わせて865件。届け数は984件。新規の申し込みは15人。

 「何と言っても最強の魅力」のスタッフは、共感の輪が広がり、当初の10人から19人へと、ほぼ倍増。月初めに開く会議が終わると、どんなに数が多くても一斉に配達。利用者の事情で急な別の日もある。

 活動のきっかけは、手島さんが社会問題になったスーパーやコンビニなどの売れ残った恵方巻の大量投棄に胸を痛めていたころ、大学の同期生から同じ思いを明かされたこと。

 当初は数えるほどだった利用者は60数世帯に増えたほか、松阪市内のファミリーマート6店でフードドライブを、ぎゅーとら長月店とコメリでそのキャンベーンを実施、さらには近郊の事業所だけでなく、東京、埼玉、滋賀などの都県からも食糧や災害用の備品が寄贈されるまでに広がった。

                     「喜んでばかりは」

 ただ、こうした゛盛況゛は、困窮の加速を現すものであるだけに、手島さんは「とてもありがたいことですが、喜んでばかりいられません」と、複雑な思いを覗かせながらも、「捨てられるものがそれだけ減る」と、ちょっぴり愁眉を開く。

 電話や来客が引きもきらず、外出もままならないほどに多忙だが、「いろいろな人に出逢えるのが楽しみ」と、もう1つの手応えも感じている。

 (問い合わせは手島禮子まで。電話・090-7309-7287)

           

          農園を2倍に拡張

 僅かなサツマイモ作りでフードバンク松阪などに役立ててもらった農園を2倍に拡張した(写真上)。広さは300坪ほどか。伊勢芋も育てることにしている。苗植えは来年5月。