新うきさと通信 

三重県の山里から

議員定数は8人減らし、20人に―松阪市議会議員 住民協が意見書

       教養、正義感なく、疑わしい資質

 「議員数を減らしてはどうか」と、松阪市住民自治協議会連合会が昨年11月、市議会へ意見書を提出した。「現在の28人から8人減らし、定員20人に」という思い切ったものだが、この10年間、停滞していた問題だけに、ある種の感慨を覚えた。

 根拠は①人口10万人当たりの議員数が12. 38 人の津市と同等にする②市民の負託を受けるのにふさわしい平均得票数を2700票と設定する―などと言う、外的条件の変化に対応したものだが、市民として、さらに付け加えたいのは議員の内実である。ここ数年、必要があって3人の議員と交ってきたが、その出来の悪さに期待を裏切られ続けた。教養がなく、従って社会・地域・行政の不条理への憤りや正義感という、議員であるからには最も基本的で、不可欠の資質が欠落している。

 審議のテーマを選んで議会を傍聴しているが、質問の仕方が弱々しく、論戦もない。「人権に関わる重大なテーマ」と説明しても、的外れな質問をするし、誰かに頼まれたのであろう、市民の暮らしからはほど遠い個人的な事柄を、さも大事そうに口にする。これで、議員としての責務を果たした気になっているとすれば、「税金を返せ」と叫びたくなる。

 議員には、執行部からの提案審議のほかに、市民の切実なナマの声を聞き取り、問題解決に尽力するという責務がある。選挙の時だけやってきて、「ムラおこし、ご苦労さま」と、そんなことはやってもいないのに世辞をまき散らし、何の展望もないくせに「松阪の未来のために」などと、大風呂敷を広げる。住民が陰で笑っているのも知らずに。

         50%未満の投票率なら、無効に

  さらに、問題なのは、投票率と得票数の低さだ。前回の令和3年7月の投票率は43.87%と、有権者の半分以下。1200票台の得票数で当選した議員もいる。有権者が13万人余であることをみれば、こんな選挙は無効にすべきではないか。年齢に関わらず、年間で何百万円もの歳費が転がり込んでくる。

 定員28人、立候補者32人。当選率は…。松阪市のこのところの選挙実体だ。税金でメシを喰うという優雅な暮らしの味を忘れさせ、僅かでも資質を上げるためにも、定員は大幅に減らすべきだ。「地域との関係が薄くなる」との意見も住民協の中にはあるようだが、そんなことはない。もともと、そんな関係はないも同然だったし、少数になった分だけ、議員の感度も高くなるのではないか。やってみる価値は大ありだ。