新うきさと通信 

三重県の山里から

    「市・県は休校や受験延期を」

            松阪の進学塾が新型肺炎で異例のメール

 新型肺炎が全国へ広がりを見せつつある中、松阪市内で中高生を対象に進学指導をしている青木塾(青木敏朗塾長)が感染予防の見地から、休校や受験延期などの思い切った対応を求めるメールを市と県へ発信した。危機を予見し、私的な教育機関が行政にこうした訴えかけをするのは異例。

 全文は次の通り。   

 私どもは松阪市内で主に中学生・高校生を対象とした塾を経営しております。すでに新型肺炎の流行を見据え、先週より塾の入り口に消毒用のアルコールを置き、教室内には次亜塩素酸水のミスト発生器を置いて、常時、稼働させ、さらに机間巡視の際にはドアノブや机をアルコール消毒しながら回っております。

 また、卒業生の医師の助言を受け、生徒たちには17日から通塾時にマスクの着用を義務付け(マスクをしていない生徒はいません)、帰宅時に自宅で手洗いやうがいを励行するように指導しています。実際のところ、検疫官や救急隊員、医師等の専門家ですら感染している現状を考えると、これでも感染を防げる自信はありません。

 ご存知のように、いまはちょうど受験期にあたります。当塾でも首都圏など遠方の大学の受験のために1月末から2月初めに公共交通機関を利用した生徒の移動がありました。こういう実態をみると、すでに小さな地方都市の松阪でさえ感染者が出ていてもおかしくないと考えます。

 先週末の授業の際、子どもたちに学校で感染予防のために消毒や注意喚起などは行なわれているのか尋ねたところ、残念ながら、私が尋ねた子どもたちが通う全ての学校で口頭による注意喚起すら行なわれていない、とのことでした。

 このままでは、学校が感染の温床になる可能性があります。迅速な休校措置はもとより、受験の延期等、思い切った対応をしなければ、学校内に感染を広げ、さらにそこに通う子どもたちの家庭に感染を広げる可能性が大きいと考えます。 

 休校措置や受験の延期等の通達がなければ、私たちのような私的教育機関が個々に判断して休塾措置をとることはとても難しく、苦慮しています。学校等、教育機関(塾も含め)に対する市と県の対応についてのお考えを、ぜひ、伺いたく思います。