新うきさと通信 

三重県の山里から

   議員提案、またゼロー新規条例案

              平成30年度の松阪市議会

 市議会議員の活動ぶりを見る上で重要な指標となる新規条例案の提案は、松阪市の場合、平成30年度(平成30年6月ー31年2月議会まで)でゼロだった(議会事務局調べ)。

 総提案数は238。うち、市長からが155(報告、請願などを除く)、議員からが21。市長提案の採決の結果は、原案のまま133、同意や認定など22。議員提案のうち、改正条例案1、意見書6、新規条例案ゼロ、その他14。

 地方自治の研究で知られる中央大学高橋亮平特任准教授の調べでは、平成24年度の全国の1自治体当たりの議員提案率は9%。うち、新規の条例案は23.6%。松阪市平成28年度でもゼロで、全国の最低レベル。

 同教授は市長提案の修正可決についても問題視。松阪市はゼロだが、全国平均でも0.3%しかなく、「いいものはいいのだが、99.1%がそのまま原案可決している状況では、議会の行政チェック機能はどういうものか、考えざるを得ない」と、議員の自律性に疑問を投げかけている。(インターネットから引用)。 

 議員の活動は後援会の会員でない一般市民には見えにくいが、市議会が地域発展のための「議事機関」である以上、執行部からの提案を待つだけでなく、自らも積極的に条例案を上程すべきではないか、との声は少なくない。

 地方の場合、国政とは異なる暮らしに根差した身近な問題があちこちで「解決」を待っているが、市民の側は必ずしも声を上げるとは限らない。議員は深く、鋭くそれをすくい上げ、「法」の力が必要な場合は条例案として再構成し、行政に提案すべき、というわけだ。

 関係筋によると、こうした実情を背景に同市議会では政策討論会(仮称)を発足させ、議員の自主性と存在意義を高めようとする動きが出始めている。