新うきさと通信 

三重県の山里から

白猪山の「風力発電」が息吹き返す

 うきさと通信を新装 9年間にわたりご愛読いただいた「うきさと通信」を「新うきさと通信」に新装しました。文字を大きく、とのご要望にお応えするためで、今後も日本社会の縮図としての「地域」を基点に情報や所感を発信します。三重県松阪市の標高330㍍の山里で知り、考え、行動に駆り立てられるものとは―。引き続き、お付き合い下さい(旧うきさと通信とはリンクしています)。                        

                           発行人・大窪興亜

                                                               

 

           事業者の担当社員が突然、柚原町へ

 去る3月の説明会を最後に沙汰止みになっていた三重県松阪市風力発電の建設計画がにわかに息を吹き返した。事業者のくにうみアセットマネジメント(東京都、山崎養世社長)の担当社員が19日、突然、同市の柚原町を訪れ、自治会長と面談、白猪山での続行を伝えたからだ。一部では「断念したのでは」との観測も流れていただけに、緊張が高まっている。

 同社は2回の説明会で、計画を進める条件として「住民の同意」を挙げ、多数の反対を押し切ってまで強行することはない、との姿勢を示してきた。しかし、ここへきてその方針の転換を伺わせたもので、新しく就任した建設担当の開発本部長も同行した。

 事態の背景には、自治会が住民投票で「反対」の総意を明確に示した文書を松阪市長に手渡すなどしたことで急いでいた出資パートナーの獲得にメドがついたという事情があるのでは、との見方が強い。

            住民協議会へ一本化の動き

 宇気郷住民協議会(長谷川博文会長)は20日、7回目の運営委員会を開き、「風力発電」について対応策を協議した。その結果、連合自治会での検討を経て、来年5月の定時総会で最終的な態度を決めることを確認した。柚原町など4地区は濃淡の違いはあるものの、「反対」の姿勢を示しているため、自治会の垣根を超えて住民の意思が1本化される見通しとなった。ただ、一部には「もっと急ぐべきだ」との声あり、臨時総会が開かれる可能性もある。

 この問題は5月の総会で提案されていたもので、隣接の上小川、小原の両地区の自治会はすでに住民協ベースで活動を続けている。