新うきさと通信 

三重県の山里から

   「草害」も条例で規制を

マムシ、野ネズミ、ムカデ、ケムシ、カメムシ 

 

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            道路に溢れ出し、交通障害も

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           条例での規制を訴え、夕刊三重に投稿

  狂ったように生い茂る雑草の塊が住民の平和な暮らしを脅かし始めている。農作物を食い荒らすシカやイノシシだけでなく、毒・ばい菌をはらむマムシ、野ネズミ、ムカデ、さらには食害性のアオムシ、ケムシ、カメムシなどが繁殖、一部では「これは草害。条例で規制するしかない」と、行政の「英断」を期待する声が挙がっている。

 特に目立つのは柚原町。県道や旧道沿いの広い空き地にところ狭しと生い茂り、交通障害も。たまりかねた住民が石垣の外から刈り取ったが、すぐ生え変わり、焼け石に水。敷地に入りたくても不在地主の了解がなければ不法侵入にもなりかねない。

 これまでは個人的に電話などで事情を話し、有償で刈り取っていたが、相続などで名義が変わると「敷地内のこと」と、取り合ってもらえない恐れもあり、受話器を取るにも腰が引ける。

 そこで持ち上がっているのが法による規制案。松阪市には「町をきれいにしよう」と言う名の条例があるが、これに「草害」が加われば、地主への説得力も格段に増すのではないか、という。

 市は「現地で解決を」と乗り気薄だが、空き家対策には国の特措法を活用することでそれなりの成果をあげているはず。「住民の声にもっと真剣に耳を傾けて」との声は強まる一方だ。

第二波ではない…再び暴れ出したコロナ

             

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                                                   無責任な「そのうち収まる

 案の定と言うべきか、「自粛」の解除後、またぞろ暴れ出した新型コロナウイルス松阪市の地域紙、夕刊三重(7月13日付)に思うところを投稿した。以下はその全文である。

 収まりかけたかに見えた新型コロナウイルスの感染が再びぶり返しつつあるように見える。政府は二度目に非常事態宣言の発出をためらっているが、これは「第二波」の前触れであり、グズグズしていると、取り返しがつかなくなる、との警告がかまびすしい。が、両者の判断は当否、相半ばする。

 東京都で二百人、全国で三百人を超えたのは、確かに「急増」なのだが、病態の実相は「第一波」の続きではないか。ここしばらくの低位安定は、人為的な「自粛」によるもので、ウイルスの活動が自然に鎮静化したわけではない。「自粛」を解除した途端に感染が広がったことがその証だ。

 一波か、二波か。どちらを採るにせよ、対策に変わりはないはずだが、それによって人間側の腰の据え方が違ってくる。「一波」に立てば、「そのうち収まる」という根拠のない、幼稚で無責任な楽観論は姿を消すのではないか。心構えは実践(暮らしの在り方)の内容を変えてしまう。

標高330㍍の風景…「医師の診断書を」

            石垣から見下ろす3匹の犬

 住み家を紹介した隣家の住人が10日ほど後に「実は、犬がいるのですが…」と、低い声で打ち明けた。秋田犬2匹、柴犬1匹。そんな大事なこと、なぜ前もって言わない。正直に告白すれば移住を断られる。そんな計算があったことを後日認めた。

 犬は1週間後、自宅裏の空き地に放し飼いされた。納屋へ行くたびに、高さ2㍍ほどの石垣から見下ろされ、薄気味悪いことこの上ない。32日間の我慢の末、談判して別の農地へ移させた。知人曰く、「私なら1週間でブチ切れる」。

 欺かれたことへの不信感が拭えぬまま3年、今度は自治会の会計問題で不祥事が起き、他の用件のついでに他県にいる家主に改めて電話で告げた(前年には直に話してある)。が、「ストレスが溜まったのなら、それを証明する医師の診断書がいります」。耳を疑い、もう1度質す。「そうです。証明です」。犬でなく、ヘビならどうか。隣家の庭の木の枝が自宅の庭に垂れ下がった。よくあるケースだが、抗議するなら「不快診断書」を添えよ、と言う理屈になる。

 世の中には、人に迷惑をかけないための経験と想像力に裏打ちされた「常識」や「通念」がある。暮らしの中でのもめごとは、これによって裁き、解決を図る。人間が永い歴史の中で培った知恵である。「診断書」は、それでもラチがあかず、訴訟沙汰にもつれ込んだ時だけに必要となるはずだが、「不快」を医学で診断することなど、いかなる名医でもできまい。だからと言って、これを当人の「錯覚」と断じ、相手を「無罪」として放置することが許されるのか、どうか。涙をいくら分析しても、人の悲しみは解らない。

 家主は「規則」や「制度」の中で生きる中央官庁の役人である。住人の移住にあたっては、世話になった人に頼まれて仲立ちし、懇願を快諾してもらった。その点は感謝しているのだが。

 

 

 

 山の図書室…「うきさと文庫」

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          風雪100年の古民家 「知の群れ」に蘇る

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      上=裏の空き地。花畑に衣替えし、青空食堂も

      下=入口の看板(津市美杉町の画家、北條九一郎氏製作)

 

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           政治・歴史から童話・漫画まで

 標高330㍍の山里に佇む築100年という松阪市柚原町の古民家を譲り受け、その一部を図書室に改造する計画を進めている。名付けて「うきさと文庫」。6畳ひと間の小さな部屋だが、蔵書が増えてくれば隣の6畳と合体させるので、2000冊ほど収容できる見通しだ。ことし中にはオープンの予定。

 政治や歴史などの専門書から子ども向けの童話や漫画まで、幅広いジャンルを網羅。4年前、県道29号沿いに開設した「峠のギャラリー」に次ぐ「山の図書室」というわけで、早くも本居宣長に関する蔵書や美術全集、さらには現代史の裏面を抉る「深層本」などの寄贈が相次いでいる。

 ほかに和室と洋室が2つずつあり、来館者の交流の場にも。隣接した空き地は花畑に作り替え、真ん中にイスとテーブルを据えた青空食堂も構想中(食事は持ち込み)。

 問い合わせは大窪興亜(新うきさと通信発行人)まで。0598・35・0788。

 

 

      無残!血税のなれの果て

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          出入口付近は、腐った階段がバラバラに
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 (上)何に使っていたのか、内部はイスや机、スコップ、バケツなどが無造作に散らばってぃる。(下)これが築20年足らず。人影はない     

 
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              標高330㍍に残骸さらす

 松阪市の標高330㍍の山上に広がる集落の一角に、ログハウスが無残な姿をさらしている(写真上)。10数年前、森林の保全活動をしていた団体が建てたものらしく、新聞、テレビなどでも報じられた。だが、それらしい「活動」がみられたのは初めの1,2年だけで、その後は人影が途絶え、シンと静まり返ったまま。

 ここまでなら、ただの「ナゾ」ですませられるが、そうはいかないワケがある。市の補助金が投入されているからだ。金額ははっきりしないが、総工費の30%とも、50%とも言われ、「20万、30万ではすむまい」と、当時の活気を知る住民は指摘する。

 金額はともかく、血税がこんな姿に変わり果てるとは…市当局はコトの次第を精査し、真実を市民に報告した上で、場合によっては補助金の返還を求めるべきではないか、との厳しい声も挙がっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

  不明朗な出入金…私的流用が判明

             宇気郷住民協議会が会計監査

 宇気郷住民協議会(長谷川裕実会長)は27日、柚原町の宇気郷市民センターで令和元年度の会計監査を実施した。5月の総会がコロナ禍で開けず、書面評決に切り替わったことに伴うもので、会長のほか、柚原、後山、飯福田の3地区の自治会長らが見守る中、事務局から提出された会計報告書の収支内容を監事2人が「正しい」と判断、署名・捺印した。

 この後、監事の大窪興亜(うきさと通信発行人)が独自に進めてきた監査内容を報告した。内容は次の通り。

 会計報告に数理上の不整合はないものの、これに至る経過に不明朗な出入金が認められ、関係者の証言から私的流用が判明。平成30年3月に発覚。返還の求めに応じ入金されるも、1年半も未公表のまま「放置」されてきた。住民協議会の運営資金の大半が市民からの行政への預託金=税金であることに鑑みるとき、万事に優先して当局へ急報すべきであった。返せばそれで済む、というものではない。事柄の本質は行政と市民への背信であり、住民協議会の社会的信認を根本から毀損するものである。

 監査に当たっては当初、「任期年度だけでよい」との制御が働いたが、これには次のような問題がある。

 ①会計は連綿として繋がる過去からの結果であり、その根拠に異常があれば、当該年度のそれは、名実ともに「健全」とは言い難い。 

 ②任期年度だけに限定すれば、それ以前の不正が永久に闇に葬られる。

 ③住民協議会の規約によると、会員から会計資料の閲覧希望があれば、特別な事情がない限り、拒否できない。監査のための閲覧を単年度に限定するのなら、それ以前の記録に紙などを貼付するか、年度ごとに新通帳の発行が必要になる。さらに、年度に関わらず自由に閲覧できる一般会員との間に不可解な格差・差別が生じる。

 これを機に、会計資料の閲覧は規約に則り、自由かつ平等にできるよう改善されたと推認する。