借りたのは、どっち? 8月末の夜、ラジオを聴いていた。ベランダで人の気配がし、カーテンを引いた。蒼い月灯りを浴び、甚吉が突っ立っている。窓を開く。へっへへ。いつもこうだ。ほかに嗤い方はないのか、この男は。 「何の用や、こんな時間に」 「へっへ…
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